差別禁止部会−最終意見 (平成24年9月14日)について 

(2016.1.12)

久田信行

 差別解消法が平成28年4月1日から施行されます。「合理的配慮をしないと差別」という事が語られていますが、その理解は必ずしも広まっていない様子です。その理解に以下の資料が役立つと思います。
 私が最もおすすめするのは、差別禁止部会という国の部会が出した報告書です。
 この報告書は、差別解消法の基礎になった差別禁止部会の考えをまとめた90頁(資料含む)のものです。内閣府のQ&Aでも、「差別禁止部会の意見は、障害当事者や学識経験者等にご参加いただいた議論の成果であり、政府としても十分尊重する必要があると考えている。」と書かれていて、公的な文書ですし、「差別解消法」の理解を助けるものだと思います。抜粋者としては、この最終意見の方が、差別解消法そのものや対応要領、対応指針よりも、法律の内容を理解しやすいと考え、抜粋し16頁に縮約した資料を作成しました。@がアクロバットリーダーで読めるもの、Aはワードのファイルです。

 

@ 差別禁止部会−最終意見−・・抜粋板 PDFファイル、教育用、16頁

 

A 差別禁止部会−最終意見−・・抜粋板、WORDに変換、教育用、16頁(@と同じ内容)

 
 最終意見の全文(90頁)はBで読めます。

B 内閣府 「障害を理由とする差別の禁止に関する法制」についての差別禁止部会の意見(PDFファイル)


分析等のためにBをワードに変換したものはC(61頁)

C 差別禁止部会−最終意見−・・・全体、WORDに変換 (作業途中で誤記があるかも知れませんので;正確にはBを参照されたい) 文言の検索等に使えます。(1月12日17時30分 見出しの乱れを改訂)

 



差別禁止部会の部会員だった朝倉先生が差別解消法について短く紹介した文書はD 

  差別解消法の特徴や位置づけがわかり参考になりました。

D 障害差別解消法 −理想には遠いが、重要な一歩−

                       浅倉むつ子 早稲田大学教授 

 

E 各省庁の差別解消法の対応指針、対応要領、内閣の基本方針は内閣府へ
 文部科学省の対応指針・対応要領もここにあります。ほとんどが内閣の基本方針が下敷きになっており、かなり似ています。文科省は、細かな所で違っていますが・・・。
厚生労働省の福祉関係の事業者向けの対応指針はやや詳しいです。
文科省の対応要領は平成27年12月25日に出されました。訓令の形で、別紙込みで7頁の文書です。
これらを受けて、各地方自治体も対応要領を作成中という状況のようです。

F 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律Q&A集<地方公共団体向け>は、短い文書ですが、法律や条約との関係についての公式見解ですので、参考になります。(Eにもリンクあり)

 

G 合理的配慮(差別解消法関連情報): 差別解消法の対応指針に関するパブリックコメントの時に参照した情報のリスト・・・上記のリストと多少重複あり


2016.2.27 H〜Jを加えました。
Hは差別概念の整理に役立ち、Iは対応指針の好例、Jは、多くの対応要領が職員が批判されないための要領になっており、積極的に差別を解消するアクションが載せ忘れられたではないかと思われる事項です。

H 2014年度公益財団法人キリン福祉財団助成事業
差別解消NGOガイドラインプロジェクト 差別事例メモのためのマニュアル
差別・虐待・ハラスメントとは(ワード)
 この資料は、DPI日本会議が400件以上の事例を収集し、エッセンスをまとめたガイドラインを作製する作業の過程でまとめられた資料のようです。差別の概念が整理されています。
注)DPIとは、Disabled Peoples' International の略で、日本語では「障害者インターナショナル」と訳します。DPI日本会議は国際的なNGOであるDPIに加盟した国内組織です。

I 大阪府障がい者差別解消ガイドライン
 都道府県レベルの事業者向け対応指針ですが、大阪府のものは出色です。

J 障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(平成27年2月24日閣議決定)は上記の内閣府からもリンクがありますが、基本なので挙げます。特に下記の引用部分に注目して頂けると有り難いです。

---引用開始---
3 啓発活動 障害者差別については、国民一人ひとりの障害に関する知識・理解の不足、意識の偏りに起因する面が大きいと考えられることから、内閣府を中心に、関係行政機関と連携して、各種啓発活動に積極的に取り組み、国民各層の障害に関する理解を促進するもの とする。
(1)行政機関等における職員に対する研修 〔これは多くの対応要領で書かれているので省略〕
(2)事業者における研修 〔これも多くの対応要領で書かれているので省略〕

(3)地域住民等に対する啓発活動

ア 障害者差別が、本人のみならず、その家族等にも深い影響を及ぼすことを、国民一 人ひとりが認識するとともに、法の趣旨について理解を深めることが不可欠であり、また、障害者からの働きかけによる建設的対話を通じた相互理解が促進されるよう、障害者も含め、広く周知・啓発を行うことが重要である。内閣府を中心に、関係省庁、地方公共団体、事業者、障害者団体、マスメディア等の多様な主体との連携により、インターネットを活用した情報提供、ポスターの掲示、 パンフレットの作成・配布、法の説明会やシンポジウム等の開催など、多様な媒体を 用いた周知・啓発活動に積極的に取り組む。

イ障害のある児童生徒が、その年齢及び能力に応じ、可能な限り障害のない児童生徒と共に、その特性を踏まえた十分な教育を受けることのできるインクルーシブ教育システムを推進しつつ、家庭や学校を始めとする社会のあらゆる機会を活用し、子供の頃から年齢を問わず障害に関する知識・理解を深め、全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人であることを認識し、障害の有無にかかわ らず共に助け合い学び合う精神を涵養する。障害のない児童生徒の保護者に対する働きかけも重要である。

ウ 国は、グループホーム等を含む、障害者関連施設の認可等に際して、周辺住民の同意を求める必要がないことを十分に周知するとともに、地方公共団体においては、当該認可等に際して、周辺住民の同意を求める必要がないことに留意しつつ、住民の理解を得るために積極的な啓発活動を行うことが望ましい。
---引用終了---

K『合理的配慮と差別」 そもそも差別とは何か(資料) 差別の種類や合理的配慮の理解について関連の委員会等の資料からまとめた資料

 

 

リンク    久田研究室ホームページ 発達障害、就学支援、動作法などや 群馬ニーズ教育研究会のブログ(差別解消法や障害者権利条約などについて折々に書いています) などへのリンクもありますので、良かったらご覧ください。